根抵当権と相続

根抵当権と相続

会社や事業主は銀行からお金を借りたり返したり継続的に取引を繰り返し行います。また小売業者・メーカー間などの商品取引も同様に継続的に行われる場合が多いですね。このような継続的に繰り返される取引を担保する権利が根抵当権です。今更言わなくてもご存知の方は多いと思います。念のため少しだけ説明すると、通常、お金を借りたら土地などに抵当権を設定し、返済したらその抵当権を抹消するというのが一般的な流れなのですが、上記のように継続的に繰り返し行われる取引においては、その都度、設定・抹消を行わなければならないのは非常に効率が悪いことです。そこで、このような債権を一定の額(極度額)を限度として、何度借りたり返したりが行われても、その極度額の範囲内でまとめて担保してしまおうというものが「根抵当権」です。
この根抵当権の債務者に相続が発生した場合には、特に注意をしなければならないことがあります。
それは、その死亡の日から6カ月以内に後継債務者を定める合意の登記をしなければ、相続開始時に元本は確定したものとみなされてしまうこと。元本が確定するというのは根抵当権特有のもので、そこで継続取引は終了となり債務の金額を決定させるということになります。
そうなると通常の抵当権と同じようなものとなるわけです。
ですから、例えば相続発生後も事業を引き継ぎ、銀行と継続的な取引を行うため根抵当権を使い続けたい場合には、その死亡の日から6カ月以内に後継債務者を定める合意の登記を行う必要があるのです。
その手続きを簡単に記載すると
①相続による所有権移転登記(債務者兼設定者の場合)
②根抵当権についての債務者の変更登記
 債務は相続人全員に相続される形になるので、一旦、相続人全員の名義とします。
③根抵当権についての指定債務者の合意の登記
 根抵当権者と設定者の間で、相続人の中から指定債務者を合意し登記する。
このような手続きを行うことで、引き続き根抵当権を使うことができるのです。放っておくと元本が確定してしまいますので、事業を承継する場合などは特に注意が必要になるところですね。

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