遺言書に花押

遺言書に花押

今日の新聞に、押印の代わりに「花押」が記されているという自筆証書遺言の有効性が争われた最高裁判決の記事がありました。「花押」というのは戦国武将などが書状を作るときに使用していた手書きのサインのようなものです。ご存知の方も多いと思います。私も歴史好きなので博物館などではよく目にしますが、本当にかっこいいですよね。織田信長、豊臣秀吉、伊達正宗などなど・・。
当時もこの「花押」によって確かに本人による書状だと判別していたのでしょう。
しかし、これが現代の遺言書に記されている場合には・・。
最高裁は「花押は印章による押印と同視できず無効」という判断をしました。1、2審判決では「押印よりも花押の方が偽造が困難」として有効とされていたのですが・・。これは微妙な問題だと思いますね。確かに民法が厳格に要求しているのは「押印」ですが、出来る限り遺言者の意思を生かそうと、規定を緩和して解釈する裁判例もあるわけですから。
それにしても、このような花押をお持ちで、しかもそれを遺言書に用いる方がいらっしゃるのですね。新聞によれば、2003年に亡くなる前に作成されたもののようです。その判決が今ですよ。そして内容はともかく、ご本人の意思は無効となってしまったわけです。
私は先日、5月30日に高崎市吉井公民館において遺言書の市民セミナー講師として、ご参加の皆さんに自筆証書遺言の危うさをお話させて頂いたばかりです。まだ直後だけにご参加された方々がこの記事を目にしていれば、なるほど自筆証書遺言は決して安心できるものではないと感じてもらえたのではと思ったところです。

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