中小企業の事業承継

中小企業の事業承継

中小企業の経営者にとって、「事業承継」は非常に重要なテーマですね。当然、オーナー家の相続にも大きく影響してきます。今日はそんな「事業承継」に対する経営者の意識の現状についてを少し書いてみたいと思います。
現代社会は少子高齢化と言われていますが、企業オーナーの年齢も高齢化が進んでいるようです。「中小企業の経営者年齢の分布グラフ」を見てみると、1995年当時、一番多い経営者の年齢層は47歳でした。それが20年を経過した2015年になると66歳というデータになっています。
これは少し強引な言い方かもしれませんが、1995年当時の経営者がほとんどそのまま変わらずに現在も第一線で活躍していると言ってもいいのではないでしょうか。
決して悪いことではありません。元気でバリバリ働いているわけですから。しかし、言い方を変えると「事業承継」はあまりなされてきていないとも言えるわけです。当然、ここからは増えてくることが想定されますが・・。(後継者がいないという問題もありますが)
「相続」も「事業承継」も円満・円滑に行うためには様々な事前対策と準備が必要です。ここで事業承継準備の状況アンケート(株式会社野村総合研究所)を見てみると、
十分している・・・・・・・・・7.1%
ある程度している・・・・・・33.2%
あまりしていない・・・・・・25.3%
まったくしていない・・・・・19.8%
現時点で必要性を感じない・・14.6%
という結果が出ているようです。
どうでしょう、決して「事業承継」に対する意識が高いとは言えないと思うのですが・・。
しかも、問題なのがその準備の内容なのです。
後継者の資質・能力の向上・・・54.1%
後継者を支える人材育成・・・・35.1%
取引先との関係を維持する・・・35.1%(複数回答)などが上位になっています。もちろん、これらが大事なことであることは間違いないのですが、これに対して
自社株式の後継者への移転方針の検討・・17.1%
となっており、準備をしている方たちの中でも意識の低いものということがわかります。自社株対策はその評価をはじめ、「事業承継」において非常に重要な項目となります。ここを失敗すると事業承継自体が失敗すると言っても過言ではないと思います。これから増えるであろう「事業承継」、そしてオーナー家の「相続」のため、その早めの事前対策と準備の意識を強く持って頂くことも、専門家の仕事です。

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