家族信託は万能?

家族信託は万能?

前々回くらいのコラムで、「家族信託の認知度」についてを記載しました。そのときにも書いたと思うのですが、徐々にではありますが、しかし確実に「家族信託は」認知されてきており、認知症対策・相続対策として検討する方、そして実際に組成する方も増えています。
それを実感しますのは、数日前にも「家族信託についてを相談したい。」というお客様がお見えになりました。
少し前までは、例えば遺言書や生前贈与、節税などの生前対策のご相談を受ける中で、お客様のご事情・状況に応じて、こちらから「こういう問題解決方法もあります。」とご提案することがほとんどでした。
それがここ最近では、お客様のほうから具体的に「家族信託」について知りたい・相談したいという声が聞かれるようになってきているのですね。専門家としては喜ばしい限りなのですが、ただ喜んでばかりもいられない状況もあります。
家族信託がメディア等で画期的な手法として取り上げられ、ともすると過剰に「家族信託は万能」というイメージが植え付けられて、誤解や思い込みをされているようなケースも散見されています。これは我々専門家にも問題があるところなのですが・・・。(具体例は避けますが、実務の歴史が浅いため判例が少なく、学説等が分かれる見解もあります。それらも含め、危険と思われる内容の契約も見受けられます。)
「家族信託」は決して誰にとっても万能というわけではありませんし、様々なものがある財産管理・相続対策の手段の中の一つの選択肢に過ぎません。お客様の状況によっては他の手段で十分対策できる場合もあれば、他の手段と併用することも考えられます。また、家族信託の活用が有効であっても、お客様の環境的に難しい場合もあります。「家族信託」ありきではなく、それぞれのお悩みや問題解決のためにどの手段を選択するのがベストで、どのように活用するのかが重要であり、それをきちんと根拠づけてご提案できるのが真の「家族信託の専門家」と言えるのではないでしょうか。
とは言え、「家族信託」が老後の安心、円満な資産承継のため、ご家族の幸せのための画期的な手法であり、「家族信託」だからこそ解決できる問題があることも確かです。
逆に言うとこれからは、もちろんお客様のご事情によりますが、「家族信託」を選択肢の中にも入れないという手はありませんね。

コメント



認証コード2340

コメントは管理者の承認後に表示されます。

powered by Quick Homepage Maker 4.91
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional