マイケル・ジャクソンもリビング・トラスト(生前信託)?

マイケル・ジャクソンもリビング・トラスト(生前信託)?

日本とアメリカでは、まったく相続事情が異なります。
日本では、その経緯はどうあれ、亡くなった方の財産が当然に法定相続人に引き継がれることになりますが、アメリカでは遺言がない場合には、「プロベート」と呼ばれる裁判手続きを受ける必要があります。言い換えると「財産」は、日本のように当然に相続人に移転されるのではなく、まず公的機関のものとなり、調査等が行われてから裁判手続きにより順次配分が行われるというもの。そして、この「プロベート」は、費用がかかるうえに非常に手続きが複雑で長い期間がかかる傾向にあるようです。
ですから、このプロベートを回避するため、遺言であったり、「リビング・トラスト」と呼ばれる生前信託が非常に普及しており、大部分の方がこれらを活用しているとのこと。アメリカでは、自分の人生の最後は自分の意思で締めくくるという考え方が広く浸透しているとも言えるのでしょう。
この「リビング・トラスト(生前信託)」とはその名のとおり、生前に財産の名義を家族などに移す信託制度のことで、あのマイケル・ジャクソンも利用していたのですね。世界的にも有名な「マイケル・ジャクソン・ファミリー・トラスト」について少しだけ触れてみたいと思います。マイケル・ジャクソンは遺産の全てを設立した財団「マイケル・ジャクソン・ファミリー・トラスト」に信託するという遺言を作成しました。財団を受託者とする設計です。信託された遺産は40%を母キャサリンさんへ、40%を3人の子供たちへ、そして残りの20%を慈善団体へ寄付するという内容だったようです。受益者である子供たちは未成年であったため、成人するまでは信託財産の中から生活費や教育費を受取り、30歳で3分の1を、35歳で2分の1を、40歳で残りの全額を自由に使えると定められ、子供たちの生活を長期的な視野で手厚く保護する設計になっていたとのこと。未成熟な間の浪費等も防ぎながら、継続して安定的に遺産を承継できる信託ならではの仕組みですね。
このように状況に応じた柔軟な設計が出来るところも信託の特徴です。
我が国でも、こうした事前対策がもっともっと普及し、相続による紛争が激減することを望みながら、日々の業務に向かいたいと思います!

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