土地の評価単位(続編)

土地の評価単位(続編)

前回からの続編として書きます。
前回の最後の方で、一筆の土地の中に自宅と自己事業用の建物がある場合のこと、また取得者毎の評価単位という考え方があることについてを簡単に触れました。
そして、評価単位や分筆の方法、遺産分割の方法などによって評価額すなわち納税額、資産価値にも大きな影響が及ぶということも。
では実際にどういうことが想定されるのか、今日は特に評価額への影響について一つ例を上げてその注意点などを考えてみたいと思います。
上記のように一筆の土地に居住用の建物と事業用の建物があり、前回同様、子二人が相続するとします。長男が居住用建物、次男が事業用建物を相続すると遺産分割した場合にそれぞれの土地部分をきっちり分筆してそれぞれが取得すれば、遺産分割後の取得者毎の利用単位で評価されるというのが前回の話です。
しかし、土地のほうはとりあえず共有でとしてしまう場合があります。土地の共有分割が一部の場合を除いて避けるべき方法だと皆さんも理解して頂いているとは思います。もちろんこれは大原則なのですが、共有にしたとしても当面すぐすぐに問題が起こることは少ないでしょう。ところが上記のようなケースで相続税が絡んでくるとそうは行かなくなってくるのです。
大きな評価減が可能となる「小規模宅地等の特例」の適用の仕方が、まったく違ったものとなってきます。ここからは少しわかりづらい話になってしまいますので流してもらっても結構です。
上記のような例では、通常、長男と次男はそれぞれ自分の相続する分の居住用・事業用のみについて小規模宅地の減額要件を満たしているということが想定され、一方で共有にした場合の持ち分というのは全ての敷地に対して均等に及んでいるという概念のものです。ですから、長男の居住用の敷地のうちの次男の持ち分については小規模宅地等の特例が適用されないということになります。次男の事業用の敷地についても同様です。わかりづらいのでここまでは流してもらっていいのですが、要は「小規模宅地等の特例」を適用して評価を減額できる対象が1/2になってしまうということなのです。では、どうすればいいのか言うとそれぞれをきっちり分筆して取得できるようにすれば、遺産分割後の取得者毎の利用単位で評価されることになり、それぞれに特例で定められている上限までの適用が可能となるわけです。この差は非常に大きいものとなるでしょう。
このように評価単位や分筆の方法、遺産分割の方法によって様々な影響が及ぶ場合があるということを知っておいて頂ければ幸いです。

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