相続コラム 遺産分割協議証明書の活用

遺産分割協議証明書で時間と労力を軽減

  • 相続人が多い場合や遠方に居住している場合に

遺産分割協議が整えば、通常は、その成立の証明として遺産分割協議書を作成し、不動産相続登記や預貯金の払い戻しなどの手続きにも使用します。

画像の説明

協議書には当然のことながら相続人全員の署名と、実印での捺印が必要なのですが、この署名捺印、実は以外と大変なのです。全員が一堂に会して作成できる、または近隣に住んでいるので楽に持ち回りが出来るのであれば問題はありません。しかしそんな場合だけでは無いのが現実。例えば相続人が兄弟姉妹(代襲で甥姪)の場合等は人数が多く居住地もバラバラなことが多かったりします。〜簡単には集まれない・・・〜

そうなると、持ち回りをするにも遠方まで足を運ぶか、郵送などの手段を使うかということになるでしょう。全員の署名捺印が揃うまでには、かなりの時間と労力がかかることが予想されます。

●誰かのところで止まってしまう。原因は色々ですが、(忙しい、忘れている、面倒、納得していない)このような方が僅かでもいるとなかなか進まなくなってしまいます。

●次々と回しているうちに、汚れ、破損、最悪は紛失してしまうことも考えられます。

●書き間違い、捺印ミスなどがあるとまた送り直したり、最悪は作成し直してまたはじめからということも考えられます。もし最後の一人まで行ってそんなことになれば涙ものです。

このような場合に大変有効なのが、相続人1名につき1通作成する「遺産分割協議証明書」というもので、実務では状況に応じて使用しています。参考にしていただければ幸いです。

遺産分割協議証明書とは

通常の遺産分割協議書と内容自体はそれほど変わりませんが、一通の協議書に全員が連署する形でなく、相続人それぞれが一通ずつ署名捺印して、遺産分割協議の合意があったことを証明する形式のものです。したがって相続人の人数分、同一内容のものを作成する必要がありますが、全員に配布してしまえば、署名捺印のため書類を持ち回る必要がありません。ですから上記のような問題が起こりづらく、たとえ何があってもその方だけの書類を直せば済んでしまうため、時間や労力が大幅に軽減されます。スムーズな相続手続きができますね。



記載例

遺産分割協議証明書

      平成○○年○月○日、被相続人○○○○死亡により相続
     が開始したところ、相続財産について共同相続人全員による
     遺産分割協議の結果、下記の通り合意したことを証明いたします。


    平成○○年○月○日
    住 所 ※各相続人別に記載
    氏 名 ※各相続人別に署名   =実印=

  第1条
   相続人●●●●は次の財産を相続する。

  1、土 地
   所 在  ●●市●●町●●丁目
   地 番  ●●番地●
   地 目  宅地
   地 積  240.55㎡
   
  2、建 物
   所 在  ●●市●●町●●丁目●●番地●
   家屋番号 ●●●番の●  
   種 類  居宅
   構 造  木造瓦葺2階建
   床面積  1階 60.55㎡
        2階 40.55㎡

  第2条
   相続人●●●●は次の財産を相続する。
 預 貯 金
  (株)○○銀行○○支店 普通預金 口座番号※※※※

  第3条
   相続人●●●●は代償金として相続人○○○○及び○○
   ○○に平成○○年○月○日までに各々、金○○○○○○円
   支払うものとする。

  第4条
   遺産分割協議完了後、相続財産が新たに発見された場合
  は前記●●●●が相続する。

powered by Quick Homepage Maker 4.91
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional